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JULIUS RODRIGUEZ

artist JULIUS RODRIGUEZ

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

昨年発表のアルバム『エヴァーグリーン』でブレイクを果たし、ジャズ漫画『BLUE GIANT MOMENTUM』作中楽曲「MOMENTUM」のピアノ演奏でも話題を集めたジュリアス・ロドリゲスがただいま来日中です。去る2月にはクリス・ボッティのバンドでブルーノート東京に登場したジュリアスですが、今回、遂に自身のリーダー公演が実現しました。場内は満員、メンバーと年齢が変わらないであろう若きオーディエンスも多いように感じられます。

アルバム『エヴァーグリーン』で示されていた通り、ジュリアスはギター、ベース、ドラムもこなすマルチ・ミュージシャンとしての面も持っています。それだけに他の楽器奏者に求めるレベルもひときわ高いのではと私は想像するのですが、果たして、共演者は皆、凄腕です。アコースティック・ベースと5弦エレクトリック・ベースを併用するブランドン・ローズはマーカス・ミラーとロドニー・ウィテカーを師と仰ぎ、パトリース・ラッシェンやエティエンヌ・チャールズ等と共演を行なってきたひとり。特にアコースティックによるベース・ラインは創造性たっぷり、ジュリアスの弾きっぷりに対する反応の鋭さには驚嘆させられました。ウィリー・バーセルは、2歳の頃から演奏を始め、オルガン奏者の父のもとでゴスペル経験もたっぷり積んできたという"ドラムの申し子"的存在です。途方もないダイナミクス(メリハリ)、鼓面やシンバルだけではなく、タムの縁も積極的に活用しながらカラフルなサウンドを生み出します。テナー・サックス奏者のバーネル・ジョーンズはワイクリフ・ジョンやローリン・ヒルとの共演歴を持つ奏者で、昨年、とてもポップなソロ・アルバム『TYPEWRITER』をリリースしました。ジュリアスとの共演ではエフェクターを活用し、自身のソロ以外の場所でも、ジュリアスのソロ・パートにオブリガートを挟んで存在感を示します。そしてジュリアスはピアノとキーボードを担当し、よく通るピアノ・タッチや、音色の選択も含めて"どこからこの発想が浮かんでくるのだろう"といいたくなるような変幻自在のキーボード・プレイで、この3人と共に我々を音楽の冒険へと連れ出してくれます。演奏曲目は2022年にシングル・リリースされた「Chemical X」、『エヴァーグリーン』からの「Mission Statement」、「Love Everlasting」、「Run To It」等。容赦ない発展、多彩な展開に"ライヴは生き物"との感を新たにしました。昨年のコットンクラブ公演に足を運んだファンも、リピート必至でしょう。

このグループによる公演は本日まで行われ、7日はジュリアス、馬場智章、石若駿、マーティ・ホロベックによるスペシャル・セッションが開催されます。豊かな才能、限りない未来を感じさせるジュリアス・ロドリゲスとその仲間たちのプレイを、ぜひライヴでご堪能ください!
(原田 2025 9.6)

Photo by Takuo Sato


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【LIVE INFORMATION】

JULIUS RODRIGUEZ
2025 9.5 fri., 9.6 sat. ブルーノート東京
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JULIUS RODRIGUEZ, TOMOAKI BABA, SHUN ISHIWAKA, MARTY HOLOUBEK
2025 9.7 sun. ブルーノート東京
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